企業にとって安否確認はなぜ重要?
導入や運用時のポイントとは
災害やパンデミックなどの緊急事態に備え、安否確認の体制を整えている企業も多いでしょう。しかし、この体制でいいのか不安に思っている担当者もいるかもしれません。また、これから安否確認の体制を整えようとしている企業では、何から始めればいいのか分からないといったケースもあるのではないでしょうか。そこで本記事では、企業が安否確認を行う意義や必要性について解説するとともに、安否確認に必要な項目や導入時のポイントについて、あわせて紹介します。
目次
安否確認とは
企業における安否確認とは、災害や事故などの際に従業員本人およびその家族の生存確認と、現在の状況を把握することを指します。また、事業継続に向けて緊急の対応・復旧作業ができる人員を把握することも安否確認の大きな目的としてあります。
▶企業にとって安否確認はなぜ重要なのか
企業は災害時でも従業員の生命を守るため、自社の存続や従業員の雇用を守るため、加えてステイクホルダーとして社会に貢献するために、事業継続もしくは事業の早期復旧を図るための体制を整えておくことが必要です。そのための計画を「BCP(事業継続計画)」と呼びます。当然のことながら従業員がいなければ事業の継続は不可能であり、企業にとって安否確認とは、BCP対策の第一歩とも言えます。また、労働契約法では、使用者に労働者の安全を確保する配慮を求める「安全配慮義務」が定められています。災害直後に安否確認を行わずに従業員へ的確な指示を出さなかった場合、企業が安全配慮義務違反に問われる可能性もゼロではありません。
安否確認の流れ
では、災害発生時に実際の安否確認はどのように行うのでしょうか。安否確認の手段やその流れの例を紹介します。
▶従業員に対する安否確認
はじめに、全従業員へ安否確認を行います。例えば従業員本人が無事であるか、家族が無事であるか、現在の状況(ケガや家屋の倒壊など)はどうか、会社へ出社して緊急対応が可能な状況であるかなどを確認します。確認手段としては、
- 電話
- メール
- SNS・チャットツール
- 安否確認サービス
などが用いられています。
▶安否情報の管理
安否情報を従業員ごとに記録し、一元的に管理します。情報を一元的に管理しておくことで情報が整理され、混乱している状況下でも的確な指示が出せる可能性が高まります。
▶従業員への行動指示
従業員本人とその家族の無事が確認できた従業員に対して、行動を指示します。例えば地震発生直後で余震の危険性がある場合は、安全確保を最優先にするために自宅や避難所に待機してもらいます。その後、緊急対応が可能な従業員に出社してもらい、事業継続の体制を確保するといった流れです。
安否確認を行う上でのポイント
安否確認を行う上での注意点やポイントについて紹介します。
▶連絡手段の統一
安否確認にはメールや電話、SNSなどさまざまな方法・手段があります。しかし、災害時に混乱した状況のなかで複数のツールがあると、従業員によって使用するツールが分散して混乱に拍車をかけてしまいます。そこで、最も効率良く安否情報を確認できる方法を検討し、統一しておくことが重要です。
▶普段から安否確認の方法を共有・訓練しておく
災害時に初めて安否確認のメールを受け取っても、何をどう回答すればいいのか分からず混乱する従業員も出てくるでしょう。このような事態にならないために、防災訓練のようなタイミングで全従業員へ安否確認の方法を共有し、訓練も兼ねてテスト的に運用しておくことが大切です。
▶安否確認システムやサービスの利用も視野に
少人数の従業員であれば、個別にメールを送信したり電話をしたりすることで比較的簡単に安否確認ができます。しかし、数十人、数百人といった規模の企業では、個別の連絡を取りながら一元的に管理することは困難です。そこで、災害時にスムーズに安否確認メールを全従業員へ一斉送信したり、安否確認の情報を一元的に管理したりするために、安否確認システムの利用も検討するといいでしょう。
例えば、ビジネスチャットツール「LINE WORKS」のトーク機能やアンケート機能には、安否確認用のテンプレートも用意されています。全従業員に向けて安否確認用URLをトーク機能で共有し、各従業員はアンケート機能から安否確認情報を入力・送信。その結果をLINE WORKS上で自動集計し、グラフとして可視化することも可能です。
【参考】
【関連商材】 ビジネスチャットツール「LINE WORKS」
BCP対策としても安否確認の体制構築を進めよう
企業は災害時においても、早期に事業を復旧・継続できるような体制を整えなければなりません。安否確認は単に従業員とその家族の状況を確認するだけでなく、BCPの体制確保に不可欠な人員を把握するためにも極めて重要です。今の安否確認の体制に問題があるようなら、改善していく必要があります。また、安否確認の体制ができていないのであれば、少しずつでも体制を整えていきましょう。
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