企業の防犯対策の例を
自社ビル・テナント・共通に分けて紹介

企業の防犯対策の例を自社ビル・テナント・共通に分けて紹介

主に人のいない時間帯を狙って窃盗に及ぶ空き巣は毎年多発しており、一般住宅だけでなくオフィスや店舗もその被害に遭うケースが少なくありません。企業にとって資産の管理は事業継続の面でも重要です。今回は、企業における空き巣や出店荒らしなどの犯罪の傾向と、それを阻止するための具体的な防犯対策を分かりやすく紹介します。

企業における犯罪(侵入窃盗)の傾向

2020年に警視庁がまとめた統計データ「東京の犯罪」では、空き巣や出店荒らしなどの侵入窃盗について、次のような結果が出ています。侵入窃盗の発生場所は、一戸建住宅や中高層階(4階建以上)住宅などの一般住宅が約半数、会社・事務所が8.9%、飲食店や商店といった店舗が合わせて26.2%。
上記の結果から、一般住宅が多いものの、オフィスや店舗も決して低い割合ではないことが分かります。「オフィスや店舗はセキュリティがしっかりとしていて狙われにくいのでは?」と考える人がいるかもしれませんが、一般住宅と異なり、夜間や土日祝日など人がいない時間帯や曜日が推測されやすい傾向にあります。少しでもセキュリティ対策が甘かったり施錠忘れがあったりすると、侵入窃盗を狙う犯人にとっては、格好の標的となり得ます。一般的に、侵入窃盗によって盗まれやすいのは現金や貴重品になりますが、そういったものは金庫に厳重に保管しているケースが多いでしょう。PCをはじめとした備品も転売目的で狙われることがありますので、厳重に管理しておくことが大切です。なお、「東京の犯罪」を見ると、侵入の手口・手段については無施錠のケースが約半分を占めているものの、ガラス破りや施錠明け(ピッキング)などによって侵入に至るケースも少なくありません。施錠を確実に行うことは当然ですが、施錠したからといって100%安全とは言えないことを、知っておくのも大切です。

企業における防犯対策

オフィスへの侵入を防ぐために、企業としてはどのような防犯対策を講じればよいのでしょうか。自社ビルとテナント、両者に共通するものに分けて、主な防犯対策の例を紹介します。

▶自社ビル

  • 監視カメラの設置

監視カメラは自社ビル内のエントランスだけではなく、さまざまなルートから侵入された場合を想定し執務室にも設置しておきます。また、あえて外から見える場所に設置することも有効。犯人が侵入を実行する際の抑止力になり、被害を未然に防ぐことが期待できます。

  • 外周警戒システムの導入

オフィスや工場など、自社敷地内の外周沿いやフェンスなどに外周警戒システムと呼ばれるセンサーを設置する方法もあります。フェンスの突破や乗り越えを検知し、不審者の侵入を迅速に把握できます。

  • 受付による入退室の管理

警備員や受付による入退室管理を徹底することも抑止力につながります。監視カメラのようなシステムを導入するために高いコストがかけられない企業にとっても、手軽かつ効果が見込める方法と言えるでしょう。

  • 不法侵入を検知できるセキュリティシステムの導入

自社内でセキュリティ対策の知識や経験がない場合には、民間の警備会社と契約してセキュリティシステムを導入する方法もあります。万が一の際には警備会社の担当者が現場へ駆けつけてくれるため安心です。

▶テナント

  • 専有部への入退室が管理できるシステムの設置

テナントとしてビルへ入居している企業の場合は、共用部から執務室へ入室する扉へ入退室管理システムを設置する方法もあります。テナントを退去する際にも取り外しが可能なため、自社ビル以外への設置にも対応できます。

  • 不法侵入を検知できるセキュリティシステムの導入

自社ビルと同様にテナントとして入居する企業も、警備会社との個別契約によって不法侵入時に迅速に駆け付けてもらえます。また、警備会社のステッカーを入り口や窓などの目立つ位置に貼り付けておくことで、抑止力にもなります。

  • カギの交換

テナントの場合、以前の入居者が合鍵によって不正に侵入するリスクもあります。これを防ぐためには、テナントへの入居時にカギを交換することが有効です。

▶共通

  • 日々の戸締まりの管理

戸締まりを徹底することは防犯の基本です。統計データ「東京の犯罪」では、侵入手段の半分が無施錠となっており、これだけでもリスクを大幅に低減できるはずです。

  • 入退室管理システムの導入

オフィスへの入室時にICカードや生体認証などでロックを解除する、入退室管理システムを導入します。これにより、オフィス内への部外者の立ち入りを制限できます。

  • ドアや窓への対策

犯人が侵入するルートはエントランスや正面の入り口とは限らず、ドアや窓が突破されるケースもあります。そのため、これらの場所へ侵入検知センサーを設置したり、防犯ガラスや二重カギを使用したりすることで、入り口以外からの侵入を防止できます。

  • 現金・貴重品の管理徹底

現金や貴重品などを管理する際には、防犯に優れた防盗金庫を使用します。基本的に金庫は持ち出しが困難な設計となっていますが、さらにワイヤーでロックをかけるといったように、二重・三重の対策を講じておくと安心です。

  • PCにIDとパスワードの設定を徹底

前述のように転売目的でPCが狙われることもあります。その際金銭的な損失のほかに、企業にとって大きなリスクとなるのが情報漏えいです。PCやスマートフォンなどの情報端末が持ち出されるケースを想定し、機密情報や顧客情報の漏えいを防ぐため、IDやパスワードでのログイン管理を徹底するといった万全の対策を講じておきます。

  • 従業員に対するセキュリティ教育

研修や訓練を実施し、従業員全員に侵入窃盗につながるリスクを十分理解してもらい、防犯対策を徹底していきます。

企業の事業継続の観点からも防犯対策は重要

オフィスへの侵入窃盗によって金品が盗難に遭うと、企業にとって多大な損害となって事業継続が困難になることもあります。運転資金や企業の資産を厳重に管理するためにも、今回紹介した内容を参考に、厳重な防犯対策を講じておきましょう。