消耗品の在庫管理に悩む担当者へ!
適切な運用のためのポイントを解説

消耗品の在庫管理に悩む担当者へ!適切な運用のためのポイントを解説

通常オフィスには、作業を円滑に進めるための多くの消耗品が存在します。
こうした物品については日々の出入りが頻繁であるため、何が、どこに、いくつある、といった管理をしきれていないケースも多いようです。
しかし消耗品も企業の大切な資産であり、在庫管理の仕方によっては企業全体のコスト削減や効率化に結び付きます。
ここでは消耗品の在庫管理の課題を確認しながら、適切な保管や処理方法のポイントを解説していきます。

消耗品の在庫管理における課題

オフィス業務では、数多くの消耗品が必要とされます。本来であれば、過不足のない在庫管理が理想的です。しかし、実際は以下のように多くの課題が発生しています。

  • 在庫数の把握ができていない

適切な個数管理ができておらず過剰な在庫、あるいは不足が見られるケースがあります。また、使用期限やトレンドがあるものについては、未使用のまま使えなくなるといった無駄が発生することもあります。在庫数を正確に把握するためのルールづくりが必要です。

  • 在庫管理の方法が統一されてない

必要になったら各部署がバラバラに注文している、その都度何となく間に合わせているなど、在庫管理がルーズになっているケースがあります。まずは、自社に合った在庫管理のルールを策定する必要があります。

  • フローが定まっておらず在庫チェックが負担になっている

発注や入庫、利用時のフローが整理されていないため、在庫チェックの作業に時間と手間がかかってしまうケースがあります。フローを整理して在庫チェックの負担を軽減する必要があります。

  • 保管場所が適切でなく不便

業務スペースの近くに在庫を置くスペースを確保するのが難しく、必要があれば遠くの倉庫に取りに行くといった不便を強いられるケースがあります。余剰を抱えることなく適切な在庫数を保つといったように、できるだけ業務スペースの近くに保管できるような工夫をしましょう。

  • 発注業務に時間を取られる

多数の種類がある消耗品の発注作業をその都度行うため、トータルで発注業務に多くの時間を割いているケースがあります。発注フローを整理し、発注業務の効率化を図る必要があります。

  • 発注の処理で混乱がある

各拠点や各部署、個人でバラバラに注文しているという場合、発注に関する処理が混乱してしまう可能性があります。発注業務の一括管理を検討する必要があります。

  • 購買承認のフローが面倒

複数の上役の押印をもらいに回るような面倒な購買承認ワークフローでは、必要なタイミングにスムーズに発注できないケースがあります。承認ワークフローの効率化を図る必要があります。

消耗品の在庫管理を適切に行う施策

消耗品の在庫管理を適切に行う施策として、例えば次のようなことが考えられます。

  • 管理担当者の配置

報告先となる担当者を決め、発注・入庫情報が常に1カ所に集まるようにします。データと在庫数に食い違いが起きないよう管理が徹底され、責任の所在が明確になります。

  • 必要量の把握

過去の発注データをもとにして、自社の社員数・スペースに適した消耗品の在庫数を定めることで、管理がしやすくなります。すべての物品をリスト化し、それぞれの品についておよその購入サイクルを決めておけば、チェックも容易です。詳しくは、「備品管理台帳でオフィス業務を効率化!作成と運用のポイントを解説」をご覧ください。

  • カテゴリ分けとラベリング

使用場所や用途別に消耗品をカテゴライズし、ラベリングしてデータ化します。保管場所の仕分けと管理がしやすくなります。

  • 保管場所の固定

上記のカテゴライズを実施後、消耗品ごとに保管場所を定めます。社内向けサイトのようなところで情報を共有し、乱雑化の防止に努めます。

  • 定期的な棚卸し

消耗品といえども、企業にとっては大切な資産です。データと実際の個数の差異が出ないよう定期的に棚卸しをし、不明点がないよう管理していきましょう。

  • ルールの周知

消耗品の使用や保管に関するルールを定め、社内周知を行います。
持ち出し時の記名・数量の記載などを徹底し、いつどこで誰がいくつ使用したのかが明確になるように管理します。在庫切れの際の担当者への連絡方法や発注の流れも一律に決めておきます。
消耗品のなかでも防災関連の物品については、日常的な消耗品と比べて管理が甘くなりがちです。賞味期限・使用期限のある物品もあるため、適宜入れ替える必要があります。
すぐに使用されることの少ない防災関連の物品は、日常的に使用される一般的な消耗品と分けて管理するのも混乱を避ける手段となります。防災関連の物品については、管理代行などのアウトソーシングを検討するのもいいかもしれません。

【参考】

【関連コラム】備品管理台帳でオフィス業務を効率化!作成と運用のポイントを解説

消耗品が在庫過多にならないためのポイント

消耗品の不足については気にしていても、見落とされがちなのが在庫過多です。消耗品は多ければ多くあるほど良いというものではありません。新しい材質や機能が開発されると古い在庫が不要になり、廃棄せざるを得なくなることも考えられます。消耗品を在庫過多にしないためには自社に合う管理方式を採用し、運用方法を最適化することが大切です。必要個数と消耗状況を把握しながら、注文の重複といった混乱を防止する対策を考えます。過不足のない消耗品の在庫管理に向けては、以下のような手法があります。

  • カンバン方式

物品管理に情報を記した、俗に「カンバン」と呼ばれるカードを付けて、誰でも分かるように管理する方法です。受注する目安をあらかじめ決めておき、在庫がその数になったタイミングで発注をかけます。
例えば残り2個になった場合に必要な情報を記載したカンバンを付けるように決めておき、残り2個になるタイミングで使用した人が発注ボックスにカンバンを入れます。担当者がボックスからカンバンを回収し、発注を行うという流れになります。この方法であれば必要以上の在庫を抱えることがなくなります。

  • 一括管理

発注・受注を一括管理する方式であれば、バラバラに発注することによって生じる混乱は避けられます。ただし複数拠点がある場合、一括管理では本拠点で集中購買を行い各拠点に配布することになるため、受注を一手に引き受ける担当者に大きな負担がかかります。
この課題を解決するには、購買システムの活用が有効です。購買システムを活用すれば、管理は本拠点の担当者が行いつつも、発注は各拠点が必要なタイミングで行い、直接そこに配送されるといったことが可能になります。またデータが一元化され、常に可視化されて共有可能なため、不正や重複を回避できます。購買システムを活用することで担当者の負担が軽減されつつ、適切な消耗品管理に向けた一元化が実現できるのです。

消耗品の管理は企業全体の姿を映す

企業のメイン事業やコア業務に比べ、消耗品管理にはあまり注意が払われず、課題があっても見逃されがちです。しかし日々の活動の在り方にこそ、企業の本質が表れるもの。消耗品の管理をおろそかにし、不適切な運用を続けていると、それが蓄積して大きな損失となりかねません。企業経営を足元から強化するためには、消耗品の不足や過剰をなくすとともに、特定の社員に集中しがちな管理業務の負担が軽減できるような最適な方法を検討する必要があります。
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