企業が蓄電池を導入するメリットとは?
災害時以外の活用方法も紹介

企業が蓄電池を導入するメリットとは?災害時以外の活用方法も紹介

BCPや防災対策の観点で電源の確保は重要なポイントと言えます。非常時に電源を確保するにはさまざまな方法がありますが、特に手軽で有用な方法と言えるのが蓄電池の活用です。今回の記事では、蓄電池にはどのような種類があるのか、企業が蓄電池を導入することでどのようなメリットが得られるのかを詳しく紹介します。

災害時の電源確保の重要性

はじめに、なぜ企業が災害時に備えて電源を確保しておかなければならないのか、その重要性について紹介します。

▶情報伝達手段の確保

社員とその家族の安否確認、および取引先との連携、顧客への被害状況の報告などを行うためにも、通信インフラを確保しておくことが求められます。

▶安全の確保と復旧活動の効率化

停電時には懐中電灯やランタンなどで明かりを確保することもできますが、それだけでは十分な明るさが保てるとは限りません。夜間における対策本部の運営や復旧活動のために、より照度の高い投光器などの照明器具等の利用を想定する場合には、稼働可能な容量の電源確保が必要です。

▶地域住民への支援

BCPに加えて、最近注目されているのが「DCP(District Continuity Plan):地域継続計画」です。これは災害時における共助と企業における社会的責任の両者を果たすことに繋がります。自社従業員のためだけではなく、地域住民の方たちへの支援として、非常用電源の確保をする企業・施設等も増えてきています。

▶患者や施設利用者の生命を守る

患者や利用者の多くは日常生活・健康管理、さらには生命維持の大部分を医療機関・介護施設等の提供するサービスに依存しており、サービス提供が困難になることは利用者の生活・健康・生命の維持に支障をきたします。特に生命維持装置などを利用している場合は、非常用電源の確保は必要不可欠となります。停電に際して発生し得るほかのリスクについては、「停電に対する企業の備えとは?損失を回避するための対策を解説」をご覧ください。

【参考】

【関連コラム】停電に対する企業の備えとは?損失を回避するための対策を解説

災害時の電源確保に役立つ蓄電池

停電の最中でも非常用の電源を確保する方法はいくつかありますが、なかでも手軽に利用できるのが「蓄電池」です。蓄電池の基本知識を紹介します。

▶蓄電池とは

蓄電池とは、モバイルバッテリーのように繰り返し充電をして使用できる電池のことを指し、二次電池とも呼ばれます。モバイルバッテリーのような小容量のものだけでなく、一般の家電製品にも使用できるような大容量の蓄電池も存在し、災害時において心強い味方になってくれます。

▶家庭用蓄電池と産業用蓄電池の違い

蓄電池には大きく分けて「家庭用蓄電池」と「産業用蓄電池」の2種類が存在します。両者の主な違いは容量で、産業用蓄電池は家庭用蓄電池の数倍から数十倍以上の容量があります。産業用蓄電池は大型商業施設やオフィスビル、医療機関などに設置されますが、家庭用蓄電池に比べて本体のサイズも大きく高価です。

▶蓄電池の種類

蓄電池は家庭用と産業用という分類以外に、発電方法によってもいくつかの種類に分けられます。今回は、代表的な蓄電池の種類を4つ紹介します。

  • 鉛蓄電池

蓄電池のなかでも特に歴史が古いのが鉛蓄電池です。自動車のバッテリーに多く使用されており、安価で周辺の温度変化に強いというメリットがあります。ただし、電解液に希硫酸を使用するため取り扱いに注意が必要です。

  • ニッケル水素電池

ニッケル水素電池は、乾電池型の蓄電池に多く採用されています。急速充電が可能なメリットがありますが、後述の理由により、現在ではリチウムイオン電池への置き換えが進んでいます。

  • リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は、携帯電話やゲーム機などのバッテリーとしておなじみの存在です。ほかの蓄電池に比べて小型化が可能であるという特徴があり、ニッケル水素電池に代わって広く普及するようになりました。

  • NAS電池

NAS電池は、工場や発電設備など限られた用途での実用化が期待されている産業用途向けの蓄電池です。長寿命で高効率というメリットがありますが、安全性の確保が困難であるという課題もあります。
なお、蓄電池(二次電池)ではなく、充電ができない使い切りの一次電池のなかにも、災害時の電源確保に適した、次のような電池が存在します。

  • マグネシウム空気電池

水とマグネシウムの反応によって発電する一次電池です。使用時には箱を開封し、所定の場所に水を入れるだけで発電が可能。水道水はもちろん海水でも発電でき、長期間保存が可能なため非常用電源に最適です。

  • 空気亜鉛電池

空気と亜鉛が反応することで発電する一次電池です。袋から開封するだけで発電可能となっています。保存袋に収納すれば発電が一時的にストップするため、必要な分だけを断続的に使用できるというメリットもあります。

企業が蓄電池を導入するメリット

蓄電池を導入することは、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?

▶非常用電源の確保

蓄電池の導入目的として多いのが、災害時に備えた非常用電源の確保です。万が一の停電時でも必要な電源を確保できるため、社員の安全を守り、復旧活動の迅速化につながります。災害時においても事業を継続するBCP対策の観点からも有効です。BCP対策の詳細は、「BCP対策とは?その目的と取り組む際の流れを解説」をご覧ください。また、非常用電源の確保は、既出のように地域住民や地域の医療機関・介護施設の利用者などの安全確保や支援にも役立ちます。

▶電力コストの削減

容量の大きい産業用蓄電池の場合、電力の単価が安い夜間に蓄電池へ電力をためておくことも可能です。日中の時間帯には蓄電池からの電力を使用することにより、電力コストの削減が期待できます。

▶クリーンエネルギー活用による企業ブランドの向上

太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせて使用することで、環境配慮型の経営を実現できます。SDGsへの取り組みが注目されるなか、クリーンエネルギーを活用することは企業ブランドの向上にもつながります。

【参考】

【関連コラム】BCP対策とは?その目的と取り組む際の流れを解説

蓄電池の導入により防災・BCP対策をし、その他のメリットも享受しよう

蓄電池は災害時の非常用電源として役立ち、企業の防災・BCP対策としても有効なツールです。また、うまく活用すれば、電力コストの削減や企業ブランドの向上などにつながるケースもあります。ぜひ、導入を検討されてはいかがでしょうか?