オフィスレイアウトを考える際に意識すべき
消防法と建築基準法

オフィスレイアウトを考える際に意識すべき消防法と建築基準法

働きやすい職場を実現するために、オフィスレイアウトの見直しを検討している担当者も多いのではないでしょうか。オフィス環境を整備する際は、働きやすさだけではなく、万が一に備えて危機管理を意識することが大切です。

そこで重要となるのが、「消防法」や「建築基準法」といった法律です。
本記事では、オフィスレイアウトを検討するときに消防法や建築基準法はどのように関わってくるのか、注意しなければならないポイントは何かなどを紹介します。

オフィスレイアウトで消防法・建築基準法を意識する重要性

企業には安全配慮義務の一環として、災害発生時に備えた危機管理が求められます。例えば、オフィスレイアウトを変更する際には、さまざまな法律を遵守しておかなければなりません。社員の安全を守るために、担当部門が特に注意しておかなければならないのは、消防法と建築基準法を遵守することです。

▶消防法とは

消防法とは、火災を発生させない、または火災による被害を最小限に抑えるための法律です。オフィスにおいては、消火設備や警報設備、避難設備、消防活動用設備の設置を義務付けているほか、防火管理者の選定や消防計画の作成についても明確に定められています。

▶建築基準法とは

建築基準法とは、国民の生命と財産を守るために、建物の構造や設備に関する最低限の基準を定めた法律です。地震による被害を抑えるために基礎や柱などに必要な強度が定められているほか、防災の観点では、廊下の幅や消防隊侵入口用窓の確保、排煙窓の確保などが具体的に定められています。

消防法・建築基準法に基づくオフィスレイアウトの注意点

実際に消防法や建築基準法をもとにオフィスレイアウトを検討する場合、担当部門はどういった点に注意しなければならないのでしょうか。特に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

1.避難経路の確保

消防法では避難経路を確保するために、廊下や避難口などに避難の支障となるものを放置しないよう定められています。例えば、執務スペースや倉庫内に入りきらない備品やオフィス家具などを廊下に設置した場合、避難の支障になる可能性もあることから、常に整理整頓を心がけておく必要があります。

2.十分な通路幅を確保

建築基準法では「通路の片側のみに部屋がある場合は1.2m以上」「両サイドに部屋がある場合は1.6m以上」の通路幅を確保するよう定められています。オフィスレイアウトの変更に伴い、パーティションの設置や内装のリフォームをするケースもありますが、通路幅の基準をクリアできるかしっかり確認しておきましょう。

3.各種設備を妨げない

消防法で定める消火設備や警報設備、避難設備、消防活動用設備などが正常に機能できるよう、これらの周辺に備品や荷物を置かないようにしなければなりません。消火設備や警報設備などは日常的に使用するものではないため、つい無意識に備品や荷物を置いてしまいがちです。

オフィスレイアウトを検討する際には、備品や荷物専用の保管スペースを確保し、各種設備を妨げることのないよう社内ルールを徹底することが重要です。なお、避難経路や通路幅に関する詳細は以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
オフィスの避難通路の幅はどの程度確保しておく必要がある?

【参考】

【関連コラム】オフィスの避難通路の幅はどの程度確保しておく必要がある?

その他災害に備えたオフィス環境整備のポイント

消防法や建築基準法などによって明確に義務付けられてはいないものの、防災を意識したオフィスづくりのポイントはほかにも存在します。どういった点に注意すればいいのか、特に意識すべき3つのポイントを紹介しましょう。

1.オフィス家具の固定

大きな地震が発生した際、オフィス家具や備品が倒れてきてケガをしたり、避難経路がふさがれたりする危険があります。これを防ぐためには、オフィス家具同士を連結させる、あるいは金具を使用して壁に固定させることが重要です。またキャビネットの中に荷物を格納する際は、重いものを下に収納することで安定性が高まります。

2.防災備蓄品の保管場所の工夫

防災備蓄品を確保していても、万が一の際に取り出しにくい場所にあると、必要なタイミングで使用できなかったり、すべての社員へ行きわたるのが遅くなったりすることがあります。そのため防災備蓄品は、いざというときに取り出しやすい場所に保管しておくことが鉄則と言えます。

保管場所のスペースが十分でなければ、階段下のデッドスペースを活用したり、保存水や食料を各社員のデスクやロッカーに個別に保管したりする方法も有効でしょう。執務スペースから保管場所までが遠い場合には、各フロアに防災備蓄品を分散させておくこともポイントです。

また、倉庫に保管するのではなく、エントランスや共用部の空いているスペース、会議室の一角などといった日頃から社員の目につく場所に保管するという方法もあります。
 
例えば、ジョインテックスカンパニーでご提供可能な「災害用備蓄スタンドBISTA」は、キャビネット型の防災品備蓄用の収納家具で平常時はオフィスのスタンディングデスクとして活用することができ、災害時に役立つ備蓄品がオールインワンで入っている防災備蓄製品です。タイルカーペット1枚分(W50.5×D50㎝)のサイズ感ですので、執務スペースや来客用の応接スペース、会議室の一角などに設置可能です。
 
防災備蓄品の収納するコツについては、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご参照ください。
備蓄品を適切に収納するコツとは?オフィス備蓄に役立つアイテムも紹介

3.窓ガラスへの飛散防止フィルム貼り付け

建物の部位のなかでも窓ガラスは特に破損しやすく、地震によって大きな揺れが生じたときや強風によってモノが飛散してきた場合などに割れることがあります。地震や台風による窓ガラスの破損を防ぐためには、飛散防止フィルムを貼り付けておくと安心です。万が一ガラスが割れても、破片が室内に飛び散ってケガをするリスクが低減されます。

【参考】

【関連コラム】備蓄品を適切に収納するコツとは?オフィス備蓄に役立つアイテムも紹介

消防法・建築基準法を遵守し災害に強いオフィスレイアウトを検討しよう

オフィスレイアウトの検討にあたって消防法や建築基準法を遵守することは、単にコンプライアンス上の問題だけではなく、社員の命に関わってくるほど重要なものです。

働きやすさを追求するあまり法令を無視したオフィスレイアウトを設計していると、社員が被災した場合に安全配慮義務違反に問われる可能性もあります。今回紹介した注意点やポイントを押さえたうえで、働きやすさと安全性を両立したオフィスレイアウトを実現しましょう。

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