オフィスの避難通路の幅は
どの程度確保しておく必要がある?

オフィスの避難通路の幅はどの程度確保しておく必要がある?

企業における防災対策のひとつとして、地震や火災などが発生したときでも、すべての従業員がスムーズに避難できるよう避難通路を確保しておく必要があります。
しかし、実際にはオフィス家具や備品、資材などにより、十分な避難通路の幅が確保できていない企業もあるでしょう。
今回の記事では、オフィスの避難通路の幅はどの程度確保しておく必要があるのか、関係法令を確認しながら分かりやすく解説します。

防災対策で重要な避難通路

防災対策において避難通路の確保は極めて重要です。
もともと通路の幅が狭い、通路の幅は十分あるが備品や資材などが山積みになって通りにくいといった場合は、災害時に逃げ遅れる従業員が出てしまい、命にかかわる可能性もあります。
避難通路の確保は、建築基準法や消防法などにも触れられており、防災対策として考えておくべき基本事項と言えます。

建築基準法・消防法から考える避難通路の幅

では、具体的に避難通路としてどの程度の幅を確保しておくと安心なのでしょうか。建築基準法と消防法に定められている具体的な内容を確認してみましょう。

  • 建築基準法施行令

特殊建築物や3階以上ある建物、延床面積が1,000㎡を超える建物などの廊下の幅について規定した建築基準法施行令第119条において、学校以外の用途の建物では、「通路の片側のみに部屋がある場合は1.2m以上」、「両サイドに部屋がある場合は1.6m以上」の廊下の幅を確保しておかなければならないといったことが定められています。

  • 消防法

消防法第8条の2の4においては、いくつか対象となる建物の具体例を挙げたうえで、管理について権限を有する者は、廊下や避難口などに避難の支障になる物が放置されないよう管理しなければならないといったことが定められています。
建築基準法施行令は建物の設計に関する法律であるため、通路幅に関して具体的な数値としてルールが制定されています。
一方、消防法は通路幅についての具体的な言及はありません。また、具体的な数字で定められている内容ではないため、ルールを守れているかどうかは、判断する人の主観に委ねられる部分もあります。
そのため、例えば備品やダンボールなどが通路に山積みになっていると、避難通路の幅は十分に広くて建築基準法では問題がなくても、消防法上では「管理が十分になされていない」と判断される場合があることも考えられます。

避難通路を確保するためのポイント

ビルや社屋といった建物は建築基準法にのっとって建設されているため、建物内の避難通路には十分な幅が確保できているはずです。
しかし問題なのは、通路に資材や備品などを置いてしまい、避難通路の幅が狭くなってしまうことです。
もともとは十分な通路幅であったとしても、物が散乱している状態では避難通路が本来よりも狭くなってしまい、万が一のときにスムーズな避難の支障になります。避難通路を確保するためには、以下のようなポイントを見直す必要があります。

▶ オフィス家具の設置場所

キャビネットやロッカーなどのオフィス家具を通路に設置している場合には、執務スペースに移動させましょう。十分な設置スペースが確保できない場合には、オフィスレイアウトを変更するといった工夫も必要です。
オフィスレイアウトを変更する際の注意点は、「オフィスレイアウトの工夫で業務効率向上!パターンや注意点を解説」の記事を参考にしてください。

▶資材や備品などの保管場所確保

通路幅の確保はもちろんですが、特に出入り口付近は扉の開閉ができるよう、物を置かないように注意することが重要です。
通路、特に出入り口付近に資材や備品などのダンボールが山積みになっている場合には、専用の保管場所を確保し適切に管理しましょう。自社の倉庫や保管スペースに余裕がない場合には、レンタル倉庫を活用するのもひとつの方法です。
使用頻度の高い荷物は自社の倉庫へ保管し、そうでない荷物はレンタル倉庫へ移動するなど、自社に合った運用方法を検討するといいでしょう。

▶オフィス家具の固定

一見すると整理が行き届いて十分な通路幅が確保できている場合でも、大きな地震が発生した際、オフィス家具が転倒して動線をふさいでしまう可能性もあります。
そこで、オフィス家具の転倒を防ぐために、固定金具やベルト、専用のポールなどを活用して固定しておくことも重要な対策のひとつです。
このとき、オフィス家具の中に重い荷物が収納されている場合には、重心を下げることで転倒のリスクを低減できる可能性もあるので、できるだけ下の収納スペースに重いものを格納するという工夫もすると良いでしょう。
また、地震発生時に物が散乱しないよう、オフィス家具の上には物を置かないようルールとして定め、全社で共有することも重要です。
 
避難通路確保のための対策についてもう一歩詳しく知りたい方は、地震に強いオフィス | プラス株式会社ファニチャーカンパニーにて具体策を紹介しています。
是非こちらもあわせてご参照ください。

【参考】

【関連コラム】オフィスレイアウトの工夫で業務効率向上!パターンや注意点を解説
【関連コンテンツ】地震に強いオフィス | プラス株式会社ファニチャーカンパニー

避難通路だけでなくほかの防災対策についても事前に正しく理解しておこう

今回紹介してきたように、避難通路の幅を確保しておくことは防災対策の基本であり、従業員の命を守るためにも常に心がけておくべきことです。
しかし、これ以外にも防災マニュアルの策定や防災備蓄品の準備と管理など、企業として講じるべき防災対策は多く存在します。
企業防災については下記記事もぜひご活用ください。自社の対策に不備はないかあらためて確認したうえで、対策漏れがあった場合には早急に対応・準備を進めておきましょう。

企業防災はなぜ重要?防災と事業継続から考える具体的な取り組み
企業における防災備蓄品‐必要量の目安と選定のポイントは?
防災備蓄品の準備で企業が抱えがちな悩みと解決するためのポイント

なお、防災備蓄品の確保も企業防災の基本ですが、頻繁に使うことのない防災備蓄品をほかの備品などと合わせて管理するのは、担当者にとって大きな負担となります。防災備蓄用品管理代行サービスの利用も検討してはいかがでしょうか?

【参考】

【関連コラム】企業防災はなぜ重要?防災と事業継続から考える具体的な取組
【関連コラム】企業における防災備蓄品‐必要量の目安と選定のポイントは?
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