訪問介護事業所におけるBCP策定の
ポイントとは?具体的な手順も紹介

訪問介護事業所におけるBCP策定のポイントとは?具体的な手順も紹介

厚生省の調査によると、全国に3万5,000カ所以上が存在する訪問介護事業所。地域の介護の重要拠点となっているだけに、BCPの策定は極めて重要です。
2024年度からは介護事業所におけるBCP策定が義務化されますが、具体的な準備がまだ進んでいないというケースも少なくありません。
そこで本記事では、訪問介護事業所のBCP策定において、留意すべき点や手順について解説します。

訪問介護事業所におけるBCPとは

はじめに、そもそもBCPとはどういったものか、また、訪問介護事業所に求められるBCP策定の概要についても紹介します。

▶BCPとは

BCPとは「Business Continuity Plan」の略称で、日本語では事業継続計画と呼ばれます。
日本はこれまで、東日本大震災をはじめとした大規模災害や感染症の流行などを経験してきましたが、そのたびに企業の事業は大きな影響を受けてきました。
そこで、大規模災害やテロ、感染症の流行拡大などが発生しても、企業や組織が事業を継続できるような方法や手段を計画しておく必要があります。この具体的な計画が、BCPです。
BCPについてより詳しくは、「BCP対策とは?その目的と取り組む際の流れを解説」をご覧ください。

▶訪問介護事業所におけるBCP

訪問介護事業所では、事業継続が困難になると利用者の健康や命に直結する場合も多いことから、万が一に備えて万全の準備をしておかなければなりません。
また、2021年度の介護報酬改定によって、2024年4月から施設系・在宅系を問わず介護事業所におけるBCPの策定が義務化されます。そのため、訪問介護事業所は、BCPの策定に向けて早めに準備しておかなければならないのです。
介護事業所のBCP策定義務化については、「介護施設・事業所におけるBCP策定が義務化!取り組む際の注意点を解説」をご覧ください。

【参考】

【関連コラム】BCP対策とは?その目的と取り組む際の流れを解説
【関連コラム】介護施設・事業所におけるBCP策定が義務化!取り組む際の注意点を解説

訪問介護事業所の特徴とBCP策定のポイント

訪問介護支援事業所にはどういった特徴があるのか、それを踏まえてどのようなポイントに注意してBCPを策定していけばよいのかを紹介します。

▶訪問介護事業所の特徴

訪問介護とは、利用者が自宅で自立した生活が送れるよう、ホームヘルパーが自宅へ定期的に訪問し、食事や入浴、排せつといった身の回りのサポートをするサービスです。そのサービスを提供するのが、訪問介護事業所です。
訪問介護では日用品や食料品の買い出し、洗濯、掃除などには対応できますが、家事代行ではないため、利用者以外の家族の部屋の掃除や来客への応対などはできません。
似たサービスに、訪問看護があります。訪問看護とは、看護師や理学療法士、作業療法士などが自宅へ訪問して、医療のサポートをするサービスです。訪問介護も訪問看護も介護保険で利用する介護サービスですが、訪問看護では医療保険も適用できるケースがあるという点に大きな違いがあります。

▶訪問介護事業所でのBCP策定のポイント

先述のとおり、訪問介護事業所は全国に約3万5,000カ所以上存在します。
身体介助や生活支援がなければ、生活に支障を来す利用者は少なくありません。そのような方にとって、訪問介護のようなサービスは不可欠であり、重要なライフラインとも言えます。
利用者の命と健康を守るためにも、災害時などにおける訪問介護サービス継続は極めて重要です。
BCPの策定にあたっては、その地域において訪問介護事業所が重要な役割を担っていることを理解して、事業継続の方法や手段を検討しなければなりません。

訪問介護サービスにおけるBCP策定のための具体的な手順

訪問介護事業所がBCPを策定する場合、どのような手順で進めていけばよいのでしょうか。一般的な手順を紹介します。

1.リスクの把握

まずは災害などが発生した際を想定し、事業継続にどのようなリスクがあるのかを整理・把握しておきましょう。
ハザードマップを活用しながら、事業所のエリアおよび利用者の居住エリア、移動のルートなどで危険が予想される箇所を事前に把握しておくことなどが、リスク把握のポイントとなります。

2.事前対策の検討

次に、大規模災害による被害を最小限にとどめるための対策も検討しておきましょう。
事前対策の内容は多岐にわたりますが、訪問介護事業所においては、以下のような対策が考えられます。

  • 職員の安否確認方法・ルールの策定
  • 「サービス利用者の安否確認、ご家族との連絡手段の確保
  • 職員参集方法の検討
  • 介護用品・医薬品・非常食などの備蓄
  • 代替ルートの検討
  • 最優先で対応が必要な利用者へのケア など

3.他の事業所や地域の施設などとの連携

大規模な災害が発生した場合、復旧作業に多くの人員と時間が割かれてしまい、当該事業所だけでは利用者への十分なケアが難しい場合もあります。
そのような事態に備え、他の事業所や地域の施設などと相互支援ができるような体制づくりも求められます。
具体的には、どのような場合に他事業所との連携をするのか、具体的なルールや条件、連携方法などをガイドラインとして策定しておくことが挙げられます。

4.訓練の実施

災害発生時を想定し、職員の安否確認方法や代替ルートの把握をしておくために、継続的な訓練の実施が求められます。また、訓練の機会に、介護用品や非常食などの必要な物資が備蓄されているか、保管場所や数量なども確認しておくことが大切です。
介護施設におけるBCP策定については、「介護施設のBCP策定はどのように進める?課題や注意点も解説」も参考になります。ぜひご覧ください。

【参考】

【関連コラム】介護施設のBCP策定はどのように進める?課題や注意点も解説

訪問介護サービスでのBCP策定には「スマート介護」のサポートコンテンツがおすすめ

訪問介護事業所は、地域の介護を支えるために不可欠な存在です。それだけに、災害時でも事業を継続していけるよう、BCPの策定は欠かせません。
介護事業所におけるBCP策定が2024年度から義務化されますが、どのような内容を盛り込めばよいのかわからず、不安に感じることもあるでしょう。
 
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