高齢者施設が備蓄すべき非常食とは?
献立作りのポイントや選び方も解説

高齢者施設が備蓄すべき非常食とは?献立作りのポイントや選び方も解説

高齢者施設の総務担当者や防災担当者のなかには、備蓄用の非常食選びや、災害時に利用者にどのような食事を提供すれば良いのかわからず献立作りに頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。どちらも栄養士の助言を得ながら進めることが重要ですが、担当者として基本的な知識を身につけておくことが望ましいでしょう。

そこで今回は、高齢者施設において災害時に提供する非常食の重要性と、健康面に配慮した献立のポイント、どのような非常食を選べば良いのか、整理しながら詳しく解説します。

高齢者施設における非常食の重要性

最初に、災害時への備えとして、高齢者施設において非常食の備蓄が重要な理由を解説します。

利用者の生命維持のため

食事は人間の生命や健康を維持するために不可欠です。特に高齢者施設では、避難生活が長期に及ぶと利用者が体調を崩し、命の危険にさらされるリスクが高まります。
救命活動ができず高齢者施設が孤立するケースも考えられるため、万が一に備えて十分な量の非常食を備えておくことは重要です。

BCP対策

高齢者施設では利用者の命と健康を預かるために多くのスタッフが働いており、災害発生時でも利用者のケアは欠かせません。
しかし、施設に十分な食料・飲料が確保されていないとスタッフが食事をとることもできません。
そのため、スタッフ用の非常食も含めて十分な量を備蓄しておくことは、BCP対策の観点からも重要なのです。
なお、高齢者施設における防災対策全般については、「介護施設だからこそ必要な防災備蓄品とは?BCP対策の基本も解説」「介護・福祉施設での災害時における職員の役割と対応のポイントを紹介」でも解説しているので、こちらもぜひご覧ください。

高齢者施設における非常食を利用した献立作りのポイント

非常食といえども毎日同じメニューばかりでは飽きてしまい、食欲が低下することもあります。高齢者施設で非常食を使って食事を提供する場合、献立作りにはどんな注意が必要でしょうか。主なポイントを紹介します。

長期保存可能な備蓄品を十分に揃えておく

どのようなメニューを作る際でも十分な食材を確保しておくことが基本であり、食材がなければ献立を作ることもできません。
非常食では本格的な調理は難しいため、缶詰やレトルト食品、乾物などを組み合わせて献立を考えることになりますが、食材はできるだけ長期間保存可能なものを揃えておきましょう。

非常時の献立をあらかじめ考えておく

災害発生時に、一から献立を考える余裕はないでしょう。また、限られた備蓄品を無駄にすることなく有効活用するためにも、あらかじめ非常時用の献立を考えておくことをおすすめします。
食材を使ってどのようなメニューを提供するのか、栄養バランスはもちろん食物アレルギーにも考慮して献立を考える必要があります。
非常食は米やパン、麺類など炭水化物がメインになりがちなため、野菜ジュースやおやつなども用意しておくと良いでしょう。

高齢者特有の健康状態に配慮する

高齢者のなかには、固形物の飲み込みが難しい嚥下障害を抱えている方も少なくありません。一方でサラサラとした液体を飲み込んだときに器官に入り、咳き込んで肺炎などにつながるケースもあります。献立を考える際には“とろみ”を加えて飲み込みやすくするなどの配慮が必要です。

飽きずに食べられる工夫をする

限られた食材では連日同じようなメニューが続き、飽きてしまうこともあるでしょう。献立作りには、味付けやちょっとしたアレンジ、食材の組み合わせを変えながら、飽きずに食べられる工夫が必要です。

衛生面に配慮する

災害発生時には水が確保できず、衛生面のリスクが生じがちです。食器を洗うことができず不衛生なまま使用する状況では、食中毒や感染症などの危険も増大するでしょう。
そこで、洗い物を最小限に抑えつつ衛生的に提供できる献立を考えることも重要です。食器にラップを敷いて提供可能な献立はそのひとつといえるでしょう。

高齢者施設での非常食選びの注意点

高齢者施設に非常食を備蓄する場合、どのような点に留意して食材を選べば良いのでしょうか。

機能低下や疾病に応じた食品

嚥下機能の低下や高血圧など、利用者が抱える健康上の不安はさまざまです。
非常食を選ぶ際には、これらに配慮しながら安全に口にできるものを選ぶことが大前提となります。
また、日ごろからミキサー食を提供している利用者がいる場合には、災害時でもミキサーが使用できるよう電源を確保しておくことも重要です。

豊富な種類

毎日同じメニュー、同じ味付けの食事では飽きてしまい、食欲が失われ健康面にも悪影響が懸念されます。
できるだけ多くの種類の食品を用意しておくことで献立のバリエーションが増え、栄養バランスにも配慮できるでしょう。

移し替え不要

災害時には水を節約するために洗い物を最小限に留める必要があります。そこで、食器への移し替えが不要な食品を選ぶことが理想的といえます。
たとえば、缶詰、袋のまま食べられるレトルト食品などがおすすめです。

栄養とおいしさのバランス

非常食といえども、十分な栄養がとれ、おいしく感じられる食品を選ぶことも重要です。
試食をせずに大量に購入するのではなく、さまざまな非常食を口にして比較しながら、おいしいと感じたものを選ぶようにしましょう。
なお、非常食の詳細については、「防災の基本「非常食」はどう選ぶべき?主な種類や管理・活用の注意点を解説 」を、非常食以外の備蓄品については「介護施設だからこそ必要な防災備蓄品とは?BCP対策の基本も解説」なども参考になります。ぜひ、ご覧ください。

高齢者施設において非常時の献立を作成しておくことは重要な防災対策

企業の社会的責任を果たすために災害支援は重要な取り組みです。特に昨今は大規模災害が頻発しており、災害支援に着手する企業が増えています。企業単独での支援も復興に向けた大きな力になりますが、自治体と災害協定を締結することもより強固な支援につながります。自社のできるところから取り組んでみてはいかがでしょうか。

ジョインテックスカンパニーでは、地域貢献型災害用備蓄スタンド 「BISTA」 の取り扱いや、自治体との災害協定を通じて、地域と連携した災害支援に取り組んでいます。
 
参考: