防災倉庫で地域防災力をアップ!備えるべき商品と活用のポイントを解説

地震や台風、大雨といった大規模災害が頻発している昨今、共助の観点から自治会や町内会、自主防災組織での防災対策も進んでいます。非常食や保存水、衛生用品といった防災用品の備蓄に防災倉庫の設置を考える組織も少なくないでしょう。

本記事では、自治会や町内会、自主防災組織が整備する防災倉庫の役割や備蓄品の例、防災倉庫を地域防災力アップにつなげるためのポイントなどをご紹介します。

自治会・自主防災組織が整備する防災倉庫の役割

防災倉庫とは、非常食や保存水、簡易トイレ、発電機など、災害発生時に役立つ防災用品を備蓄しておくための設備です。多くの場合、災害に強い丈夫な構造で設計されており、備蓄品を長期間にわたり安全に保管することができます。災害発生時には防災拠点としての機能を発揮します。

通常、自治体が、避難所となる場所に防災倉庫を設置し、備蓄品の準備・管理を行うのが一般的です。

しかし、大規模災害時には自治体の支援が十分に行き届かないこともあるでしょう。そのため、共助の一環として、自治会や町内会といった小規模な単位でも、地域コミュニティのために防災倉庫を確保しておくことが重要になります。

防災には、自助・共助・公助のいずれも重要です。それぞれの違いについて詳しくは、「自助・共助・公助が企業の防災対策に重要な理由とは?取り組みの具体例も紹介 」をご覧ください。

防災倉庫の中に入れるべき備蓄品

防災倉庫の中の備蓄品は、共助の観点から、住民の安全確保・避難生活に必要なものを中心にそろえます。地域コミュニティの防災倉庫に準備しておきたい備蓄品の一例を紹介します。

初動活動(発災直後~数時間)に必要なもの

発災直後は、火災の拡大防止や負傷者の救助・応急処置が急務となることから、以下のものを用意しておきます。

  • ヘルメット
  • メガホン
  • 軍手
  • 消火器具(消火器、バケツなど)
  • 救助用品(工具、担架など)
  • 救急用品(包帯、ガーゼ、AEDなど) など

対策本部の設置(数時間~1日後)に必要なもの

発災後数時間が経過した段階では災害対策本部を設置し、情報収集と伝達を行う必要があります。この際に必要なものは以下の通りです。

  • テント
  • ラジオ
  • 照明・ランタン
  • 非常用電源(発電機・蓄電池) など

避難所運営(1~3日後)に必要なもの

ライフラインの寸断が長引く場合、住民は避難所での生活を余儀なくされます。快適な避難生活のためには次のものを用意しておくと安心です。

  • 毛布
  • 簡易ベッド
  • 間仕切り
  • 簡易トイレ
  • 感染症対策品
  • 調理器具・機材(ガスコンロ、鍋、やかん、ラップなど) など

各家庭の備蓄を補うためもの

防災倉庫のスペースには限りがあるため、生活に最低限必要な物資については、各家庭で備蓄することが基本です。防災倉庫には、被災して備蓄品にアクセスできない住民がいることを想定し、下記を補完的に備蓄しておく必要があります。

  • 非常食
  • 保存水
  • 簡易トイレや携帯トイレ
  • 衛生用品(トイレットペーパー、おむつ、生理用品、ウェットティッシュ) など

生活に必要な備蓄品は最低3日分と言われています。1人1日あたりの目安は、非常食3食、保存水3リットル、携帯トイレ・おむつ・生理用品5枚です。

地域コミュニティの住民構成に合わせて、品目を調整することも重要です。乳児が多い地域ではミルクやおむつ、離乳食などを、高齢者が多い地域ではレトルトのお粥など、食べやすい食品を準備しておくといいでしょう。

備蓄品の必要量については、「企業における防災備蓄品‐必要量の目安と選定のポイントは?」でご紹介しています。企業ついての記事ですが、一般宅にも参考になりますので、ぜひご覧ください。

防災倉庫を地域防災力アップにつなげるためのポイント

防災倉庫を地域の防災力アップにつなげるためのポイントを解説します。

災害リスクに応じた備蓄品の選定

地域の災害リスクに合わせて備蓄品を用意することが重要です。水害の危険が高い地域では、排水ポンプや救助ボートといった水害対応用の備品を備えておくといいでしょう。長期的な停電による断水が予想される高層マンションでは、簡易トイレではなく携帯トイレの備蓄が効率的かもしれません。

各家庭で備蓄すべき生活必需品も、地域の実情に合わせて品目を選択し、予備で保管しておくといいでしょう。土砂崩れによって道路が寸断され孤立するリスクもある場合には、非常食や保存水は多めに準備しておくといったことも大切です。

適正な備蓄品管理

防災倉庫に備蓄品を確保しただけで終わりではなく、定期的な管理も必要です。

たとえば、非常食や保存水などは長期保存が可能であるものの、賞味期限が定められています。いざという時に賞味期限切れで口にできない、使用できないといったことがないよう、ローリングストック法を活用するなどして備蓄品の入れ替えを実施しましょう。

ローリングストック法について詳しくは、「ローリングストック法とは?企業が実施する際のポイントも解説 」をご覧ください。

また、ラジオや照明、非常用電源などの機器類も正常に使用できるかも定期的に確認しておく必要があります。そのため、できるだけメンテナンスの手間がかからない機器を選ぶ工夫も必要です。

メンテナンスの手間がかからない機器については、「メンテナンスフリーの非常用電源とは?メリットや選び方のポイントも解説」をご覧ください。

住民への周知徹底

高層マンションなどの場合、地下に防災倉庫を設けることが多くあります。また、町内会においても公民館やコミュニティセンターの目立たない場所に備蓄品を保管しているケースも見られます。

しかし、一部の住民だけが防災倉庫の場所を知っていると、それ以外の住民はいざという時に必要な物資がどこにあるのかわからなく、負傷者の救助や応急処置が遅れることも考えられるでしょう。また、どのような備蓄品があるのか把握できていない、あるいは機器類の使い方がわからず、初期活動に支障をきたす可能性もあります。

このような事態を防ぐためにも、避難訓練などの際に防災倉庫の場所や備蓄品の品目、機器類の使い方などを共有しておくことが大切です。

地域住民の命を守るために防災倉庫の活用検討を

日本では自然災害が毎年のように発生し、いつどこで被災してもおかしくありません。災害そのものを未然に防ぐことはできませんが、必要な準備を整えることで、被害を最小限に抑えることが可能です。

地域住民が互いに助け合い、命を守るためにも、防災倉庫は重要な役割を担います。災害発生時に必要な物資が不足したり、数が足りなかったりすることがないよう、地域の実情に合わせて、適切な備蓄品を用意しておく必要があります。

ジョインテックスカンパニーでは防災用品を中心に約1,400アイテムを掲載したカタログを提供しており、防災倉庫の整備にも便利です。地域の防災力強化にぜひお役立てください。

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