ローリングストック法とは?
企業が実施する際のポイントも解説

ローリングストック法とは?企業が実施する際のポイントも解説

いざというときに必要な非常食や保存水は、一般的な飲食料品よりも賞味期限が長く、長期間にわたって保存が可能です。そのためかえって油断してしまい、気が付いたときには賞味期限が切れてしまっていたといったケースもあります。そのような問題を解決するための管理方法として、ローリングストック法があります。今回の記事では、ローリングストック法とは何か、企業におけるローリングストックのポイントなどを紹介します。

ローリングストック法とは

ローリングストック法とは、備蓄品として保管してある非常食や保存水を日常生活で消費し、使った分を買い足していく管理方法のことです。
生鮮食品のように賞味期限が短いものは、悪くならないうちに意識的に消費しようとしますが、非常食の場合は「まだ賞味期限に余裕があるから、あとで消費しよう」と考え、その存在すら忘れてしまうことがあります。

非常食は一般的な食料品よりは長期保存が可能ですが、半永久的に保存できるものではありません。当然賞味期限は存在しますので、倉庫の奥に放置したままではいつかは賞味期限が切れ、災害時に口にできない可能性も出てきます。
そうならないよう、賞味期限を切らさず適切に管理する方法のひとつがローリングストック法です。非常食の賞味期限については、「非常食の賞味期限はどのくらい?企業での適切な管理方法も紹介」をご覧ください。

【参考】

【関連コラム】非常食の賞味期限はどのくらい?企業での適切な管理方法も紹介

企業におけるローリングストック法のポイント

企業でローリングストック法を実践する際の、2つのポイントを紹介します。

▶賞味期限の明記

1つ目のポイントは、品目や賞味期限を見えやすい位置に明記することです。備蓄品を保管する場合、ダンボール箱にまとめて入れておくことも多いでしょう。ダンボール箱に何が入っているか外から分からない状態では、賞味期限の確認のためにいちいち箱を開けなければならず非効率です。段ボール箱の表に品目と賞味期限を大きく明記し、チェックする際に外から読める状態で置くようにしましょう。

▶古いものから手前に保管

2つ目のポイントは、備蓄品を倉庫に保管する際に、古いものが手前にくるよう配置することです。備蓄品を補充するタイミングによっては、古いものと新しいものが混在してしまうこともあります。そのため新しい在庫を奥に、賞味期限が近いものを手前に保管するというように、ローリングストック法を効率良く実施できるよう工夫することも大切です。

ローリングストック法の手順

これから企業がローリングストック法に取り組む場合、どのような手順で実行すればいいのでしょうか。5つのステップに分けて紹介します。

1.必要な備蓄品の量を把握

まずは自社でストックすべき備蓄品の量を把握します。備蓄品の量は従業員数で決まります。重要なのは、パートやアルバイト、派遣社員などの雇用形態にかかわらず、自社で働く人数分の備蓄品を用意しておくことです。例えば、保存水は1人当たり1日3リットルが目安となります。一般的に非常食や保存水は3日分必要といわれますので、10人いる場合は、10人×3リットル×3日分=90リットルが、必要な備蓄量と考えます。防災備蓄品の必要量については、「企業における防災備蓄品‐必要量の目安と選定のポイントは?」をご覧ください。
また、「サクッとstock」では、備蓄品の品目や量、費用についてシミュレーションが可能です。

2.品目と賞味期限を記載し保管

必要分の備蓄品が用意できたら、前述したように保管用のダンボールに大きい文字で品目と賞味期限を記載しておきます。倉庫にまとめて保管する場合は、同じく前述のとおり、古いものを手前に新しいものを奥に置いていきます。ローリングストック法の実施に当たっては、備蓄品の移動を定期的にするため、物の出し入れがしやすいようある程度作業スペースを確保しておくことも大切です。

3.拠点ごとにリスト化

保管場所が複数拠点、複数箇所に分散する場合には、保管場所ごとに備蓄品の品目と量、賞味期限などをリスト化しておきます。

4.賞味期限が近づいたものを消費

作成したリストをもとに、定期的に賞味期限が近づいている備蓄品がないかを確認し、必要に応じて消費します。消費方法にはさまざまなパターンがありますが、最も手軽にできるのは従業員へ配布して、各自で消費してもらう方法です。備蓄品の量が大量で、従業員に配りきれない場合は、食料支援を実施しているNPO法人などへの寄付も選択肢に入れましょう。

5.消費した分を補充

賞味期限が近いために消費した分を、新たに発注して保管場所に補充しておきます。また従業員数が増えた場合は、追加発注をして適正在庫を維持することも重要です。

【参考】

【関連コラム】企業における防災備蓄品‐必要量の目安と選定のポイントは?

ローリングストック法で適正に管理し、いざというときに備えよう

ローリングストック法は防災備蓄品の適正な管理に役立つ方法です。今回紹介した内容を参考に、ぜひ適切な管理を実施し、いざというときのために備えてください。
なお、防災備蓄品の管理は従業員の安全を守るために極めて重要な業務ではありますが、コア業務ではありません。

防災備蓄品の管理の負担が大きいためにコア業務に支障を来すようなことは、企業としては避ける必要があります。防災備蓄品の業務に負担を感じている場合は、アウトソーシングをするのもひとつの方法です。ジョインテックスカンパニーでは「防災備蓄用品管理代行サービス」をご提供しています。
維持・管理だけでなく、賞味期限や使用期限のある備蓄品について、次年度予算に合わせたご提案なども行っています。ぜひご検討ください。

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