台風対策は万全?企業における被害のリスク
と具体的な対策について解説

台風対策は万全?企業における被害のリスクと具体的な対策について解説

日本では季語になるほどなじみの深い台風。近年は勢力の大型化による被害の拡大傾向が見られ、都市部において甚大な影響を及ぼすことも少なくありません。企業ではどのようにして台風に備えるべきなのでしょうか。今回は企業が知っておきたい、台風による事業リスクや具体的な対策などについて紹介していきます。

台風対策で知っておきたい台風の大きさと強さ

台風対策を考える前に、台風の大きさと強さについて基本的なところを押さえておきましょう。

  • 台風の大きさ

台風の大きさには階級があります。階級分けの基準は、強風域(風速15m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲)の半径で示されます。
・大型の(大きい)台風:強風域半径が500km以上~800km未満
・超大型の(非常に大きい)台風:強風域半径が800km以上

  • 台風の強さ

台風の強さは、最大風速で区分されます。
・強い:33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満
・非常に強い:44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満
・猛烈な:54m/s(105ノット)以上
風の強さのおよその感覚としては、30m/sで雨戸や屋根が飛ばされることがある強さ、50m/sでは大抵の木造家屋が倒壊、樹木が根からなぎ倒される強さです。また台風情報でよく聞かれる「暴風域」は、風速25m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲を示します。
 
1951年からの統計によると、台風の発生数・日本への上陸数自体には大きな増加は見られません。ただし、台風の年間発生数に対する「強い」台風の発生割合に、周期的な変動が見られます。1970年代後半から80年代後半にかけては強い台風が増加。80年代後半をピークに90年代後半までいったん減少傾向となりましたが、2000年代になって再び増加に転じています。このため、現時点では地球温暖化による気温の上昇傾向と強い台風の発生率に、明確な相関関係があるとは断定できないとされています。
最近では2019年に大型で強い勢力の台風が、伊豆半島に上陸したあと関東を通過するという異例のコースをたどりました。この台風では神奈川県箱根町で雨量が1,000mmに達し、東日本を中心に17地点で500mm超となっています。人的被害や住宅の被害のほか、電気や水道などのライフライン、道路や鉄道などのインフラ、農林漁業といった経済活動にも大きな被害が生じました。

台風による企業の事業継続リスクとは

台風によって企業がさらされるリスクには、以下のようなものが挙げられます。

  • 従業員の出退勤に関するリスク

台風により出退勤の安全の状況が不明確になるため、交通手段・道路状況・気候状態を見ながら、出社・退社のタイミングを計る必要があります。リモートワークを実施している場合を含め、連絡が取れずに状況が把握できない可能性も出てきます。

  • オフィスが入っている建物や、業務に使用する各機器・書類が被害を受けるリスク

会社自体が直接被害を受けるリスクもあります。建物自体のダメージや、がれきの流れ込みによるダメージなどが想定されます。

  • 企業の資産への被害リスク

機器類へのダメージにより、故障、廃棄の可能性があります。また業務に関わる重要な書類への被害により、事業の継続が困難となることも考えられます。先に紹介した2019年台風19号の例では、福島県郡山市の企業被害が625億円に上ったと試算されています。

  • 取引先が被害を受けて、間接的に自社の事業継続に支障が出るリスク

自社が無事であっても、取引相手に被害が出ると事業の継続が困難になる可能性があります。調達リスク・生産継続不可のリスク・納入先を失うリスクなどが想定されます。

  • 事業継続が困難になった場合、取引先に損害を与えて信用を毀損するリスク

自社が被害を受けることにより、取引相手に対して上記の逆の状況が起こる可能性があります。

  • 安全配慮に関するリスク

企業側が危険を顧みず、無理に従業員を出勤させるといったことをした場合には、以下の法令により安全配慮義務違反を問われる可能性があります。
【労働契約法第5条】使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする
また、従業員の安全に配慮しない企業と見なされ、社会的信頼の低下を招きかねません。

台風時の事業継続に向けて行うべき対策

事業継続に向けて、企業が行うべき台風への対策を説明します。

  • 台風時に事業継続ができる体制構築

被害の抑制に向け、現実的に機能する体制づくりが必要です。指示命令系統、各所における対策にあたる人員や責任者の決定、危機管理マニュアル作成を実施。すべての関係者に、内容の周知徹底を行います。

  • 各従業員の出社判断・行動基準の策定

出退勤の判断・行動基準を策定し、社内統制を図ります。リモートワーク時の対応も含め、統一化を図りつつ、上からの指示がなくても各自が状況に合わせた柔軟な判断をするよう促すことが大切です。

  • 台風直撃時の連絡手段を確立しておく

台風被害により、通常の連絡手段が使えなくなる可能性があります。社内での連絡手段として、電話連絡網、社内SNSの活用、メールの一斉送信、安否確認サービスの活用など、考えられる複数の手段を準備しておくことが重要です。

  • データのクラウド管理やバックアップ

台風被害を拡大しないために、機材・機器、書類など事業継続に関わる物品は2階以上に設置・保管します。また、離れた複数の拠点でデータ管理を行い、データベースミラーリングやクラウド活用を積極的に進めていきましょう。

  • 台風被害に備えて防災用品をそろえる

企業が準備するべき備蓄品の基本は、人数分の食料・毛布・水3L/日です。オフィス内にいる人数プラス来訪者を想定した数量を常備しておきましょう。その他、医薬品、非常用トイレ、トイレットペーパー、マスク、歯ブラシ、ひざ掛け、生理用ナプキンなど、従業員の意見を聞きながら必要物品をそろえます。また、ラジオやヘッドライト・簡易照明、非常用発電機なども必要でしょう。加えて、自社の立地に合わせ、砂のう、土のう、水のうなど、水害対策品の要・不要を検討します。暴風対策用の防災用テープがあれば、窓ガラスの補強に使えます。日々の業務に加えての防災用品の管理業務は、担当者の大きな負担となります。ジョインテックスカンパニーでは、貴社に必要な防災備蓄品の選定サポートツール「サクッとstock」や在庫・期限管理サービス「防災備蓄用品管理代行サービス」をご提供しています。お気軽にご相談ください。

来るべきときに対する備えが重要

最近は台風の進路が過去と比べて多様になってきています。これまであまり台風被害が想定されなかったエリアも、絶対安全とは言えません。企業では台風被害を人ごとと考えず、ほかの災害と同様に万全の備えを尽くすことが大切です。台風に備えてシミュレーションを行い、リスクへの対応を怠らないようにしていきましょう。