オフィスでの災害リスクを軽減するための
事前対策と役立つ商品を紹介
大規模災害が発生したとき、オフィスにはさまざまな危険が潜んでいます。日常生活のなかでは気にも留めなかったことが危険につながるケースも多く、どういったリスクがあるのか考えておく必要があります。
そこで本記事では、オフィスにおける減災対策として何をすればいいのか、また、減災に役立つ商品の一例を紹介します。
目次
オフィスで起こり得る災害時のリスク
災害発生時、オフィス内ではどのようなリスクが起こり得るのでしょうか。身近に潜んでいる危険を紹介します。
▶オフィス設備の転倒・移動
オフィスには大型の設備(家具や機器類)などがあり、大きな地震が発生すると倒れてきたり移動したりすることがあります。
設備の下敷きになってケガをする恐れがあるほか、転倒した設備が避難経路をふさぎ、逃げ遅れる人も出てくるかもしれません。
古いデータではありますが、2011年に東京消防庁が実施した調査によると、東日本大震災において、20%のオフィスで家具類の転倒・落下・移動が発生したという回答がありました。高層階(一般的には6階以上)になるほどそのリスクが高いことも分かっています。
参考:オフィス家具類の転倒・落下・移動防止対策(PDF)|東京消防庁
▶デスクや書庫からの物品落下
オフィス内のデスクやラックなどには大量の書類やファイルなどが格納されているほか、デスクの上にはPCやプリンターなどの機器も設置されています。上記の調査からも推測できるように、地震が発生するとこれらが落下し、ケガをしたり避難経路をふさいだりするリスクが考えられます。
▶窓ガラスの破損・飛散
大規模な地震はもちろんのこと、強風や台風などの発生時も、モノが飛来してきて窓ガラスを破損するリスクがあります。
オフィス内に破損したガラス片が飛散すると、移動の際に踏んでしまいケガをするおそれも出てきます。
災害リスクを減らすオフィスの対策のポイント
上記で紹介したようなオフィスの災害リスクを減らすためには、どういった対策が求められるのでしょうか。
▶オフィス設備の転倒・移動防止対策
オフィス設備の転倒、移動を防ぐためには、なるべく固定しておくことが重要です。
例えば、キャスター付きのデスクやキャビネット、複合機などは、キャスター部分にストッパーを取り付けることが効果的でしょう。
また、キャスターが付いていない大型の設備は、天井との間に突っ張り棒のようなものを差し込み、固定させておくことで、耐震性が増します。
複数のキャビネットやロッカーなどがある場合には、両隣の家具同士を連結させておくだけでも安定し、転倒や移動しにくくなるでしょう。
▶物品落下の防止対策
キャビネットや書庫、デスクなどからの物品落下を防ぐためには、できるだけ扉付きのものに収納し、扉を閉めておくことが有効です。
扉の取り付けが難しい設備であっても、収納部分に専用の滑り止めテープを貼っておくことで落下防止に効果を発揮します。
さらに基本的な対策として、デスクの上は常に整理整頓を心がけ、不要なものを置かないことも重要です。
▶避難経路の確保
逃げ遅れを防ぐために避難経路を確保し、動線上にはモノを置かないようにしましょう。
十分な対策を講じていても、一部の家具が転倒したり移動したりするリスクをゼロにはできません。避難経路について十分な広さを確保しておくとともに、オフィス設備を配置する場所を慎重に検討することも大切です。
避難経路の確保については、法令も関係してきます。詳しくは「オフィスの避難通路の幅はどの程度確保しておく必要がある?」や「オフィスレイアウトを考える際に意識すべき消防法と建築基準法」をご覧ください。
▶ガラス類の飛散防止
災害時に窓ガラスの破損そのものを防ぐことは難しいですが、特殊なフィルムやテープなどを貼っておくことで、割れたガラスの飛散をある程度防ぐことは可能です。
オフィスにおける減災・防災の対策については、「オフィスの地震対策を見直そう!被害を出さない職場づくりとは」や「オフィスの災害対策は万全?必要性や災害の種類別防災対策を紹介」も参考になります。ぜひご覧ください。
【参考】
【関連コラム】オフィスの避難通路の幅はどの程度確保しておく必要がある?
【関連コラム】オフィスレイアウトを考える際に意識すべき消防法と建築基準法
【関連コラム】オフィスの地震対策を見直そう!被害を出さない職場づくりとは
【関連コラム】オフィスの災害対策は万全?必要性や災害の種類別防災対策を紹介
減災に有効な対策商品
オフィスにおける減災対策に有効な、さまざまな商品があります。どういったものがあるのか、代表的な商品の一例を紹介しましょう。
▶伸縮式転倒防止器具
伸縮式転倒防止器具とは、突っ張り棒のように天井との間に挟んで設置する商品です。伸縮式のため高さを自在に変更でき、商品の説明書に記載されている適用の範囲内なら、家具のサイズを問わず設置が可能です。
▶貼るだけの固定具・シート
大型の設備同士を連結させたり、壁面に固定させたりするタイプの対策商品です。ネジやボルトを使用することなく簡単に設置でき、耐震性強化に役立ちます。
▶キャスターストッパー
複合機のようなキャスター付きの設備の移動を防ぐために、キャスター部分に設置するストッパーです。もともと本体にキャスターを固定するロックが付いている場合もありますが、キャスターストッパーも併用することでさらに耐震性を強化できます。
▶ガラス飛散防止フィルム
窓ガラスに貼る特殊なフィルムで、これを貼っておくだけで万が一ガラスが破損した場合でも、オフィス内への飛散を防ぎ、避難時の安全確保に役立ちます。
▶滑り止めテープ
書類や備品などを収納するオープン書庫の棚全面に貼るだけで、ファイルや本などの落下を防止できます。扉が付いていない家具に使用でき、手軽に安全対策が講じられます。
オフィスの災害リスクを見極め適切な対策を講じておこう
オフィスには大型の家具や設備があることから、大規模災害が発生するとそれらが転倒し、ケガをするリスクがあります。また、窓ガラスが破損すると、割れたガラスの飛散によってケガをする危険も出てくるでしょう。
オフィスの災害リスクを低減するためには、災害の発生をシミュレーションし、何が危険な要素となるのかを見極めることが重要です。
オフィスにおける減災・防災・BCP対策について分かりやすくまとめた資料をご用意しています。以下よりダウンロードしていただけます。
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