BCMとは?
BCP・防災との違いや事例、構築のポイントを解説

BCMとは?BCPや防災との違いと取り組み方について解説

自然災害や感染症、テロ行為など企業を取り巻く多くのリスクに対し、企業の事業継続対策は、ますます重要なものとなっています。

そこで注目されるのが、事業継続対策を包括的に持続して行うことを意味する「BCM」です。
ここではBCMとBCPや企業防災との違い、構築の具体的な方法、実際に取り組んでいる企業の事例などについて解説します。

BCMとは

企業経営に対してさまざまな脅威が想定される昨今、事業継続問題は現実味を増しています。まずは、BCMの基本概念を紹介します。

▶BCMの概要

BCMは“Business Continuity Management”の略語で、日本語では「事業継続マネジメント」と訳されます。自然災害や事件事故、テロ犯罪、感染症といった事業継続の支障となるリスクに対して、事業継続計画の策定・導入・運用・見直しという一連のマネジメントを行うことを指します。

BCMは起こり得るリスクを想定し、現実的な動きにつなげるための管理体制であり、BCMがなく事業継続計画のみでは実行に至らず、被害が生じる可能性があります。

実際、東日本大震災の折には、周到な計画を立てていながらも実行へのマネジメント不足から事業継続ができなかった企業も多数見られました。
なお、BCMに関連するガイドラインや法令は複数あり、なかでも英国規格「BS25999」や国際規格「ISO22301」などは世界的にもよく知られています。

▶BCMの導入が求められる背景

BCM導入が注目される背景としては、不透明な社会の状況があります。昨今の地震、台風、大雨などの大規模災害や事故発生は、企業運営にも大きな影響を与えています。

また複雑化する企業間連携において、事業の継続は一企業の問題ではありません。さらに生活の基盤を供給するという社会的責任への対応、国内・国際標準化への対応など、BCM導入は企業にとってあと回しにできない課題となってきています。

BCPや防災との違い

企業のリスク対策に関連した言葉には、ほかにBCPや企業防災といったものもあります。BCPは“Business Continuity Plan”の略語で、日本語では事業継続計画と訳されます。
災害や大事故などリスク発生時の事業継続のための「計画」を意味します。BCMとは事業継続の支障となるリスクに対して、事業継続計画の策定から運用、見直しまでのマネジメント全般を指しますので、BCP策定は、BCMの一環とも言えます。
BCPについて詳しくは、「BCP対策とは?その目的と取り組む際の流れを解説」をご覧ください。

一方、一般的に企業における防災とは、災害の発生時に従業員や関係企業、取引先や顧客などの安全を守るための事前の災害対策全般のことです。
事業の継続を主な目的とするBCMやBCPとは、大きく異なります。「企業防災はなぜ重要?防災と事業継続から考える具体的な取り組み」をあわせてご覧ください。ただし、従業員や顧客の安全が確保できなければ事業の継続は困難になります。
そういった意味では、防災もBCMに含められると考えても誤りではありません。
防災について詳しくは、「企業防災はなぜ重要?防災と事業継続から考える具体的な取り組み」をご覧ください。

【参考】

【関連コラム】BCP対策とは?その目的と取り組む際の流れを解説
【関連コラム】企業防災はなぜ重要?防災と事業継続から考える具体的な取り組み

BCM構築の手順

企業における、BCM構築の流れは以下のとおりです。

  • BCM基本方針の策定:事業継続・再開への基本方針を決める

効果の高いBCMを構築していくうえでは、自社についての正しい把握が求められます。社会やステークホルダーに対しての役割・責任を明確にし、経営戦略・事業方針に即した基本方針を立案します。

人命の優先や地域社会との連携、顧客への商品・サービスの提供継続といったところが考えられます。さらに基本方針の実施に向けて、担当者の選出や権限の付与を行い、体制を固めていきます。

  • 影響度の分析:有事による事業全体が受ける業務上・財務上の影響の度合いを分析・評価する

重大なリスクの特定、停止期間と対応力の見積もりなどを具体的に算定し、事業に対する影響を明らかにしていきます。そこから、優先すべき重要業務、復旧までの目標時間と復旧レベルを定めます。

  • BCPの策定:初動対応計画・事業継続計画の策定

指揮命令系統の整備、マニュアルの策定、安否確認・連絡手段の確保などを定めます。事後の対応拠点、代替エネルギーの確保、データのバックアップなど、事業継続に必要なすべての範囲を考慮する必要があります。

  • 実施および運用:BCPに即した対応の実施

マニュアル・チェックリストの周知と、連絡・行動訓練を実施します。緊急時における行動教育を徹底し、訓練後には問題点を洗い出して、随時修正を加えていくことが重要です。

  • 点検・見直し:事業継続の管理評価・定期的な点検および是正

大規模訓練の実施やシミュレーションなどを通じ、目標復旧時間の達成を焦点に、期待した効果が得られているかを検討していきます。

経営層の意見も入れながら、実質的な事業継続と言えるのか、見直すべき点について厳しく精査し、定期的に修正を重ねていく必要があります。

BCM導入による好事例

BCM導入の事例を一つ紹介します。

精密プレス加工・コネクター加工を行う老舗企業では、後継者問題に悩んでいました。
そのようななか、業界団体から経済産業省による委託事業BCMS(事業継続マネジメントシステム)モデル企業として選定したい旨の打診を受けます。

当時、経営陣はBCMやBCMSという言葉は聞いたことがあるものの内容までは知らない状態でした。
また、モデル企業になるとBCMSに関する国際規格「ISO22301」の取得が必要になり、以前ISO9001の取得に苦労した経験のあるベテラン幹部からは反対の声が出ました。

しかし、事業継続に取り組んでいくことで経営の安定化が図れるほか、「優秀な後継者候補に入社してもらうことにもつながるのではないか」と考え、打診に応じることを決意。
その熱意によりベテラン幹部を説得し、担当にはISO9001取得に関与していない若手幹部を抜擢しました。

経営者自らが強い意志でリーダーシップを発揮したことなどから、2014年1月にはISO22301を取得。
その取り組みが功を奏して、2015年5月に地震が発生した際には防災訓練どおりスムーズに機械を停止し、集合場所に集合することができました。

また、ISO22301の認証取得が新規受注につながったり、銀行から融資を受ける際の評価につながったりといった効果も得られました。
さらに、外部の後継者候補に対して、同社におけるBCMSへの取り組み内容とその狙いを丁寧に説明したことで理解が得られ、現在は正式に後継者候補として入社し、業務を担当しています。

参考:事例2-4-7. 桐栄工業株式会社|中小企業庁事例2-4-7. 桐栄工業株式会社|中小企業庁

いつ起こるか分からない災害に備え適正なBCMの構築を急ごう

いつ起こるか分からないリスクに対し、事業継続計画を立案しただけでは不十分です。重要なのは計画が現実的に役立つことであり、事業が真に守られることです。

BCMはそのために欠かせない取り組みでもあることから、現在多くの企業から注目されています。

BCMを構築し防災対策を成功させている企業の多くは、経営陣が強い意識を持ちリーダーシップを発揮していることはもちろん、当初策定したBCMから定期的に見直しも図っています。

BCMを構築して終わりではなく、それを実行に移し具体的な防災対策にまで落とし込んでいくことも心がけましょう。

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なお、BCMを策定する際のヒントとなる、セミナー動画を公開しております。講師は、全国各地のセミナー、書籍・新聞・WEBメディアなどで幅広く活躍される、備え・防災アドバイザー、BCP策定アドバイザーをされている合同会社ソナエルワークスの高荷智也氏です。

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