防災備蓄品の置き場所はどう確保する?
オフィススペースの活用法を紹介

防災備蓄品の置き場所はどう確保する?オフィススペースの活用法を紹介

企業では社員の安全を守るため、災害に備えてさまざまな準備をしておく必要があります。代表的なものが防災備蓄品。防災備蓄品は社員全員分を用意しなければならず、かなりの量になることから置き場所に頭を悩ませている担当者もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、企業が防災備蓄品を管理するうえでの注意点やオフィススペースの活用法などを解説します。

防災備蓄品管理の注意点

はじめに、企業が防災備蓄品を管理する際にどういった点に注意すべきなのか、押さえておきたい4つのポイントを紹介します。

▶必要な品目を把握する

まずは、保存水や非常用食料、非常用トイレ、毛布など、防災備蓄品としてそろえておくべき品目を把握しておくことが重要です。品目については「防災備蓄品の準備で企業が抱えがちな悩みと解決するためのポイント」で詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。

▶適正量を把握する

防災備蓄品として準備すべき量は、およそ3日分が目安とされています。企業の場合、正社員だけでなくアルバイトやパート、派遣社員などの分まで確保しておかなければなりません。加えて、取引先や顧客などが来社している最中に被災する可能性もゼロではないことから、余分に準備しておく必要もあります。一方で、昨今はテレワークを導入する企業も増え、出社率が下がっているケースもあるでしょう。自社の出社率を把握したうえで、適正量を分析しておくことが重要です。なお、防災備蓄品の適正量については「企業における防災備蓄品‐必要量の目安と選定のポイントは?」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

▶各拠点へ配備

複数のエリアに拠点が点在している企業は、すべての拠点に防災備蓄品を配備しておくことが重要です。本社と支店、営業所が近い場所にあったとしても、災害時は物流網や交通網がストップし物資が輸送できない場合もあります。必ず各拠点へ配備しておくようにしましょう。

▶管理者を明確にする

防災備蓄品の在庫数量や賞味期限などを管理する担当者を決めておく必要があります。各拠点の担当者が管理する、あるいは本社の総務部門が一括で管理する、両者が共同で管理するなど、管理者を明確にしておくことが大切です。

なお、賞味期限や使用期限がある防災備蓄品に関してはローリングストック法という管理方法があります。賞味期限、使用期限をチェックし、期限が近づいてきたら新しいものに入れ替える管理法です。ローリングストック法について詳しくは「ローリングストック法とは?企業が実施する際のポイントも解説」で解説していますので、ご覧ください。

【参考】

【関連コラム】防災備蓄品の準備で企業が抱えがちな悩みと解決するためのポイント
【関連コラム】企業における防災備蓄品‐必要量の目安と選定のポイントは?
【関連コラム】ローリングストック法とは?企業が実施する際のポイントも解説

防災備蓄品のオフィスのスペース活用法

防災備蓄品の保管スペースとしては倉庫が定番ですが、オフィススペースを有効に活用する方法もあります。大きな倉庫がない企業や倉庫に十分な収納スペースを確保することが難しい企業にとって、参考となる活用法の一例を紹介します。

▶デッドスペースの活用

階段の下や会議室の一角、エントランスの一部など、普段は収納スペースとして活用されずデッドスペースとなっている場所も少なくありません。頻繁に出し入れすることがない防災備蓄品は、このようなデッドスペースをうまく活用して保管することも可能です。防災備蓄品置き場の確保と同時にオフィススペースの有効活用にもつながります。

▶フェーズフリーで日常に溶け込ませる

フェーズフリーとは、「フェーズフリーとは?「いつも」と「もしも」2つのフェーズをフリーにするという新しい価値観」の記事でも解説しているように、普段から使用しているものやサービスを非常時にも役立てるという考え方です。例えば、スマートフォン用のモバイルバッテリーやポータブル電源などの活用も、フェーズフリーにあたります。

オフィス内でのフェーズフリーとして、日常・非日常どちらにも使えるオフィス家具のようなものを取り入れるのもひとつの選択です。「災害用備蓄スタンド BISTA」は、平常時はオフィス内に設置するスタンディングデスクやインテリアとして活用。キャビネットの中には発電機やカセットコンロ、携帯トイレ、カイロ、トイレットペーパーなど災害時に必要なアイテムがオールインワンで入っており、日頃から目につく場所に置いておくことで、発災時にもには素早く取り出して活用することができます。

発電機や携帯電話の充電器を来訪者や地域の方に解放したり、災害備蓄セットを緊急支援物資として活用したりと、DCP対策に利用することもできるでしょう。DCPとは、非常時に地域で連携し合いながら、地域の機能を継続させるための計画のことです。DCPについて詳しくは「DCP(地域継続計画)とは何か?策定プロセスや事例を紹介」で解説していますので、ご参照ください。

【参考】

【関連コラム】フェーズフリーとは?「いつも」と「もしも」2つのフェーズをフリーにするという新しい価値観
【関連コラム】DCP(地域継続計画)とは何か?策定プロセスや事例を紹介

防災備蓄品の置き場所を工夫し災害に備えよう

企業の成長に合わせて事業規模は拡大し、それに比例するように社員の数も増えていきます。多くの社員が在籍している企業は、その数に応じた十分な量の防災備蓄品を確保しておかなければなりません。大量の防災備蓄品を保管するためにはスペースの確保に頭を悩ませがちですが、オフィス内のデッドスペースを活用したりフェーズフリーの概念を取り入れた商品を利用したりすることで、解決することが可能です。

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